中山道.大井〜御嵩をあるく

幕府初期の普請で整備された五街道の中で
海寄りの東海道は国道1号に昇格、沿線に
鉄道も開通し殖産興業で発展を遂げます。
一方山寄りの中山道は両京を結ぶルートと
して経由地が若干不可解な事や、道路拡張
及び鉄道敷設に不適な地形なども相まって
とりわけ山岳地域を中心とした沿道宿駅の
多くは時代に取り残されやがて廃れていく
事になります。

その中で今回紹介するのは木曽路から美濃路
に向かう大井宿から御嵩宿へ約30kmの区間。



大井(岐阜県恵那市)からは国道19号を外れ
山の尾根を登り下りし美濃加茂で国道41号
合流するという更に妙なルートを辿ります。
土岐川沿い多治見ルート(下街道)と比較し
余りに過酷なため明治以降はいちど国道に
指定されるものの鉄道開通後は街道として
往来もなくなり、最後は道そのものが打ち
捨てられてしまうという経緯を辿りました。





連休なか日の4日、この区間を歩いて挑戦です。




3日の晩に恵那のコンビニで車中泊、駅前市営
駐車場開く5時30分に入場して出発。駅前が
すぐ旧街道でそのまま街道巡りのスタートです。
折畳み自転車随行予定が残念ながら今回叶わず。



土のみち6割、クルマのみち4割。






土のみちは各自治体の整備が入るものの基本は
江戸時代のまま。一里塚はちゃんと道の左右に
2つ鎮座する。馬頭観音を初め当時の水呑場や
石碑など有名無名併せて数100mおきに存在。


クルマの道は山の住処の生活をそのままで
仰ぐことになります。農家の納屋、勝手口。
代かきの土の匂いと農機具整備の油の匂い。

ゴルフ場貫通する道端の巡礼水という石碑は
カラフルなロストボールが沢山お供えされて
おりました。


妻籠や馬籠のテーマパーク的
江戸江戸アピールは皆無です。




当日は天候にも恵まれ遠く恵那山を背中に
道中新緑と空の蒼が降り注ぎ鳥のさえずり
水田の蛙のBGMで終日大変癒されました。



その種の現代的非日常に趣きを感じて頂ける
奇特な方にはお勧め歩き。インバウンド期は
相当数の外人が訪れたそうですが、この日は
すれ違った同志徒歩4名、ロードバイク4名。

途中の宿場は大湫(おおくて)細久手(ほそくて)
2箇所。大湫はいくらか古い建屋が残り地元が
街道お休み処と標榜させたい気概を感じます。
細久手は宿泊できる本陣建屋が一件ありますが、
それ以外はほぼ現代の集落でした。


5時半スタートなら昼過ぎに御嵩の駅に到着。
前半は十三峠という登り下りの土の道。後半
クルマ道と尾根道が半々。ウォーキング習慣
ないので腿とふくらはぎが相当やられて後半
ペースがガクッと落ちました。麓に降りた後
国道21号トラバースして駅に向かうのですが
ホントにきつかった・・。





ここから名鉄広見線、JR太多線中央線にて
恵那に戻れるというのも電車好きな人には
ちょっと楽しめるところ。









中山道大井~御嵩ウォーク

①スタート地点までのアクセス

JR伊那駅 岐阜県恵那市大井町1
浜松から国道257号線で約115Km
2.5時間。高速は東名高速浜松IC→
豊田JCT→東海環状道→土岐JCT→
中央道→恵那IC。約150Km2時間。
R257経由でも信号少なく快適です。
マップリンク→こちら

隣接市営Pに停めベースとしました。
恵那駅西駐車場案内→こちら



②ルートマップ

Googleルート検索で延長31.3Km
所要時間6時間54分



概要は本文で記したとおり。県道やら杣道、
田んぼ道跨ぎ集落伝いに西走する感じです。

慣れないと膝、腿、ふくらはぎやられます。
靴も合ってないと間違いなく靴擦れします。
西(御嵩)向きの場合途中歩行困難になっても
後半エスケープは不可、かつ代替交通機関も
ほぼなし。何が何でも御嵩駅へ向かうのみと
いうことです。


※十三峠入口の有名な警告
加えて補給地点も僅かです。大湫宿東詰
若竹屋、瑞浪市平岩集落小沢商店の2件。
あと、御嵩町物見峠頂上御殿場に地元で
有名なカフェ1件。基本カップル案件で
汗みずくハイカーには正直厳しいと思う。


ほかは自販機が数カ所。道標とトイレは
思いのほかよく整備されています。


土の道クルマの道が幾度となく入れ替わり
江戸時代の徒歩基準なため勾配もキツい。
自分はある程度道を覚えて行ったのでまだ
よかったが詳細なルートマップか予備知識
ないと途中で心が折れるように思います。

なにしろ無理な計画は禁物です。

参考
街道めぐりが趣味の山根さんのサイト
街道の歩き方より当該区間のデータ

→こちら
旅行系Youtuberスーツ氏が電動アシスト
自転車でこの区間を踏破した時の動画

→こちら
"牛の鼻欠け坂"下れば残りは現実です。
当日終盤歩行困難な場合の対応として
可児タクシー(0574)60-2011


③御嵩→恵那への戻り(電車)

御嵩→新可児
名鉄広見線終日1時間2本。¥300円。
御嵩では来た電車に乗り4駅新可児下車。
ここでJR乗換です。ここまでicカードが
未対応なためJR乗換は2回改札を通って
退出。隣のJR可児駅で切符買い直します。
大抵乗換時間がわずかなので要注意。


可児→多治見→恵那
JR太多線可児駅1番線より5駅多治見下車。
中央線下り中津川方面に乗り換え5駅乗車で
恵那で下車。こちらもそれぞれ終日1時間に
2~3本。可児駅から遠しで¥860円。


※各情報は'22年5月現在のものです。
名鉄広見線末端区間、沿線自治体と
存廃協議中なのでこちらも注意です。






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この記事へのコメント
待望の新たな日記でした。
お疲れさまでした。
自転車ではなく徒歩で踏破というのが価値があると思います。
次回も期待しています。。。
Posted by はままつフルーツパーク時之栖はままつフルーツパーク時之栖 at 2022年05月05日 16:26
ありがとうございます。
バンド活動なき今更新頻度が
たいへん低く申し訳ないです。


先人に思いを馳せるのならば
徒歩移動が一番共感できますね。
せせらぎにズボン脱いで浸かり
足冷やしたり逃げないカモシカと
記念撮影とか楽しかったです。




輪行は柚木⇔柚木乗り換えとか
足柄⇔足柄乗換で実現させます。
Posted by ふらん 鍵ふらん 鍵 at 2022年05月05日 19:08
なるほど!
面白い企画ですね。
柚木は海ルート、足柄は山ルートになりそうですね。。。
Posted by はままつフルーツパーク時之栖はままつフルーツパーク時之栖 at 2022年05月05日 19:37
ありがとうございます。

またゆっくり計画してみます。
まずは岩水寺⇔岩水寺からかな。
Posted by ふらん 鍵ふらん 鍵 at 2022年05月05日 20:17
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