東海道 尾張国の縦走


笠寺の一里塚


ご無沙汰してます。元日の地震は驚きましたが
翌2日には、またまた性懲りもなくいにしえに
思い馳せる徒歩の旅へ出かけてきましたので
その模様をお伝えします。

今回の能登半島地震とその関連で被災された
皆様方に心よりお見舞い申し上げます。


今回も旧東海道、尾張国入口豊明の駅からです。
早朝雨を突いて浜松を出発。凍えながら10時半
ペーパーチューンDioを駅前駐輪場に結えます。






で、今回は豊明から有松、鳴海宿、笠寺を経て
桑名への七里の渡しの船着場、宮宿まで歩いて
行ってみようと計画しました。尾張国縦走です。







歩き始めてすぐ旧街道が分岐します。事前に
ストリートビューで予習した感じでは、新道
(旧国1)は8割ほど別ルートで街道筋が残存。
それでも全域市街地で概ね今風の建物の中を
走る生活道路という印象です。そんな中でも
僅かに残る古い家並みや史跡を探して歩こう
と思います。



因みになぜ宿場でもない豊明がスタート地かと
言いますと、一昨年バイク購入すぐに浜松から
豊明まで街道沿いを走破していたこと。国道23
号明豊道路との結節点でアクセス性が良いこと。
駅前にバイクの駐輪場が整備されているなどの
諸条件が整っていたためです。あと神宮前から
電車一本で戻りやすいしね。


のんびりした平地から少しずつ丘陵の中に分入り
中京競馬場前の駅、いわゆる桶狭間です。すこし
寄り道をして休憩がてら今川義元公没地に立寄り
さらに進み再びクルマ道から分かれ有松地区へ。

ここは突如テーマパークに紛れ込んだかのような
古い街並みが現れます。有松は江戸中期の大火
復興に際して土壁や瓦を用いた火事に強い建物を
建造するとともに新たな産業として有松絞りを
興し地場産品と共に街並みも残ったという次第。






ここ、画角勝負です!よくよく注意しないと
高層マンションや高速道の防音壁が写り込む


1984年に市が町並み保存地区として整備。2016
年に国の重要伝統的建造物群保存地区に認定され
無電柱化や道路の舗装などの整備が行われ現在に
至ります。宿場ではないものの今回の歩きで一番
映えスポット。絞り染め販売や古民家カフェなど
観光地としても売り出しています。正月休みでは
開いている施設は皆無ですが街道散策される家族
連れやカップルをけっこうお見受けしました。



名ニ環を潜りながら踏切を超え鳴海の宿場へ。
ここからは当時の面影はだいぶ減ってきます。
地元クルマに気を付けつつ歩き進路を大きく
北に向けます。古地図で確認するとその名が
示すように当時は地形に沿った海岸線沿いの
道だったようです。





やがて県道59号交差点に下り進路を西に変え
真直ぐ清掃センターを超えて天白川を渡ります。
静岡の安倍川みたいな変わった3車線の橋です。
長らく天白川河原(沼地)一帯だった経緯で対岸
笠寺まで味気ないクルマ道。現在は見渡す限り
住宅地ですが、昔は漁もできない沼地の湿地帯
が広がり、躱すように街道が通っていた様です。



丘陵を登り昔から残る立派な一里塚を過ぎると
笠寺観音。参拝の善男善女で賑わっております。


分かりにくいですが右手は水晶玉(?)を使った
大道芸的パフォーマンス。やんや々の大喝采。
東海道はこの門前通に割込み当時の殷賑を醸し
再び名鉄本笠寺の踏切を渡ってすぐ北に進路を
とります。


呼続(よびつぎ)という下町を抜けて14時30分。
通沿いの純喫茶が15時閉店。座りたかったので
飛び込んで休憩がてらコーヒーを頂きマスターと
楽しくお話ししました。


ここまで歩いた印象として
とにかく立派な寺院が多い!

桶狭間の戦、織田軍最前線中島砦の後方
信長本陣禅昌寺砦と勘違いし登ってみた
曹洞宗瑞泉寺。浜松の禅寺では見かけない
派手で立派な山門と伽藍です。標語には
自虐ネタなのか「日本の神髄は簡素にアリ」
と墨黒々記してある



他にも中山道で散在した馬頭観音(ここで
荷駄馬が死にました。南無…)的なモニュ
メントが見当たらず、その代わり秋葉灯篭
常夜灯が目立ちました。

死なない伝馬役や潤沢な御寄進。さぞかし
豊かな土地だったのだろうと想像します。
そして大火に手を焼いていたという歴史。




また現代においてぽつぽつと格子戸の
古い住居や商店が残っており、今日は
有松地区以外ひたすら二俣街道の様な
風景が続くのだろうと諦観していたので
ここは嬉しい誤算。楽しく散策する事が
できました。




山崎橋で瑞穂区に入り名古屋高速大高線を潜り
堀田を過ぎ国道1号線大通りに。ゴールも近く。
豊臣ストーブの工場とパロマ本社。最近まで
ビル屋上に巨大看板がドーンと屹立していた
ところですね。

大府回りで全然東海道に沿わない東海道本線を
踏切で渡り伝馬町一里塚(木だけ)の枡形を過ぎ
宮の宿場町へ。名古屋からの美濃街道と合流し
大通り鰻の老舗蓬莱軒横を過ぎて側道を南下。

すぐに堀川運河が現われて今回のゴール地点、
宮の渡し公園に到着。船着場や常夜灯などが
復元されてます。対岸にプレジャーボートなど
舫っているものの港湾地区は程遠く、意外にも
周囲は静かな住宅地。地元の憩いの場となって
おりました。



往時の旅人は次の宿場町三重県の桑名まで船で
一気に渡るか、佐屋街道である程度徒歩迂回し
木曽三川だけ渡河するかの選択を迫られました。

東海道、中山道とも名古屋城を中心とした巨大
城下町から何故か離れて通過していたのですね。


宮宿は名古屋から相当南へ外れているものの
船着場、佐屋街道起点、熱田神宮表参道として
大変栄えたとのことです。私も初詣とついでに
宮きしめんで疲れを癒して神宮前駅から名鉄で
豊明駅に戻ろうと思います。




東海道 尾張国フルウォーク

①スタート地点までのアクセス


※経路マップのスクショ。各時間料金は参考

⚫︎クルマ

東名高速道路、浜松北IC→豊田JC→伊勢
湾岸道豊明IC。一般道では浜名バイパス
→R23明豊道路。今年('24)R23蒲郡地区
不通区間が開通すれば一気に時短効果が
見込まれます。駅周辺に有人駐輪場含め
複数コインパーキングあり。
ちなみに私は原付2種ペーパーチューン
Dioのため静岡県内はおとなしく弁天島を
往復しました。

⚫︎鉄道

浜松→豊橋、東海道本線下り方面各種別
日中毎時3本。運賃¥680円。
豊橋→豊明、名鉄本線下り快速特急又は
急行乗車。毎時6本。停車駅の東岡崎、
知立、新安城などで各停、急行に乗換。
(スマホ検索等ご活用下さい)運賃¥880円。
豊橋のJR↔︎名鉄乗換、別料金ですので
ご注意ください。

②ルートマップ


総延長15.8km、標高差ほぼなし。
Google予測で徒歩3時間35分。

全区間クルマで走破できる一般道です。
ただし有松の景観保存地区など所々で
一方通行の区間があり注意が必要です。

補給、トイレは全域市街地の為それほど
不便しないでしょう。エスケープも駅間
距離の短い名鉄名古屋本線がほぼ並走。
こちらも問題ないと思います。

③宮の渡し公園→豊明駅への戻り


公園から横の大通り内田橋の歩道橋を渡り
市バス内田橋北3バス停。来たバスに乗り
二つ目、神宮東門下車。10分毎¥210円。
ここで名鉄乗換。尚公園前の同名バス停は
1番で系統が異なります。3番迄歩きます。

名鉄本線上り豊橋方面、各停11駅¥360円。
準急、急行は豊明に停車しない便あり注意。
浜松まで電車の方は毎時3〜4本の快速特急
又特急乗車で終点豊橋まで。運賃¥1,070円。
豊橋からJR乗換で浜松へ。

※各情報は2024年1月のものです






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この記事へのコメント
復活おめでとうございます。
安倍川の駿河大橋は今年度中に上下1車線ずつになるようですね。
国1の風物詩がひとつ無くなりますね。

あと名鉄の堀田駅は小さな新幹線駅のような配線で好きな駅のひとつです。
Posted by はままつフルーツパーク時之栖はままつフルーツパーク時之栖 at 2024年01月03日 10:42
正月の静かな街道を歩く中で名鉄の踏切音と通過音は常に聞こえていました。

いかに愛電開通が街道筋に熱望されたのが分かりましたよ。
帰りの電車は急行で堀田通過しましたがホームがなかったので通過線型の駅かと気づきました。
この向こう呼続、桜、本笠寺あたりは高架化されず昭和のまんまで風情がありますね。

そうそう安倍川のやめちゃうんですよね。
Posted by ふらん 鍵ふらん 鍵 at 2024年01月03日 11:16
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